株式会社スガテック

scroll top scroll top

株主の皆様へ

令和2年4月1日から令和3年3月31日に至る第68期の事業報告書をお届けするに当り、平素のご支援、ご愛顧に対し厚くお礼を申し上げます。

 

当期におけるわが国の経済は、米中対立や2020年1月以降から猛威を振るい始めた新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の急速な縮小を背景に、景気の停滞感が一気に強まりました。

 

当社の主要顧客先である鉄鋼業界におきましては、2020年度の国内粗鋼生産量は8,279万トンとなり、前年度を15.9%下回りました。年度ベースの粗鋼生産が8千万トン台まで落ち込むのは、1971年度(8,844万トン)以来で、約50年ぶりの低水準となりました。大幅に落ち込んだ最大の原因は、新型コロナ感染拡大に伴う自動車メーカーの工場停止や建設工事の中断などによる主要供給先の鋼材需要の激減によるものです。

 

今期の大型工事施工実績としましては、日本製鉄株式会社殿より受注した名古屋3コークス炉建設機械工事並びに輸送コンベア設置工事が、本年5月竣工を迎えました。また、室蘭2高炉改修工事も昨年11月竣工を迎えました。

 

当期の業績につきましては、期スタート時点では鉄鋼業界における大幅な減産、またコスト削減への取り組みによる減収影響が懸念されておりましが、下期からは増産基調に転じたこと、また過年度に受注した大型改修案件の着実な実行管理を行いつつ、室蘭2高炉改修工事も無事故無災害のなかで完工できたこと等により年間売上高としては過去最高の449億9千万円となりました。

また、利益面では全社を挙げての大型案件要員調整、平準化を着実に実行し、新型コロナウイルス感染症による事業環境の変化にも対応しながら工事効率化を推し進めたことで、経常利益は42億7千万円、当期純利益31億4千万円となりました。

 

世界経済は米中対立の深まりのなかではありますが、中国を中心とした景気回復が進み、当社の主要顧客である高炉メーカー各社も下期からその生産は回復過程に入り、収益も回復しつつあります。しかしながら長期的には日本国内の内需減少への対応、ゼロカーボンスチールへの挑戦が求められ、大幅な設備休止を伴う中長期経営計画を公表するに至っています。

 

かかる環境下でもお客様から求められるニーズとしては工事の安全確保、高い施工品質(工事・整備)に加え、お客様の業務も含めた工事効率化を進めること、働き方改革へも着実に対応しつつ当社企業体質を更に強化していくことであります。

 

まず安全については、「安全なくして企業の存続なし」の理念の下、「ワンランク上の安全文化の定着」をスローガンに各種施策を計画し実行して参りました。特に昨年はその実力が問われる室蘭2高炉改修という大規模工事において無災害を達成し、お客様からも施工品質と共に安全品質についても高い評価を戴くことができました。本年は更なる推進に向けて、外部専門家の診断結果に基づいて自分たちの安全弱点を認識し、その克服に向けた活動を展開しております。具体的には「日々の安全確保」を基本活動の柱として、①リスクアセスおよびTBM+KY有効性の向上、②終業ミーティングの強化、③経験の浅い人・スポット起用者の安全確保、④IT技術の活用や機械化による作業レス化等を重点項目として活動しております。今期は昨年に続き名古屋3高炉改修工事が計画されております。大規模工事は元より全ての工事・整備案件を無事故・無災害で完遂し、安全に強いスガテックファミリーの構築に向け活動して参ります。

 

企業体質の更なる強化のためには、優秀な人材確保が社業維持繁栄の為の最重要課題であるとの認識のもと、積極的な採用活動を展開し、それら戦力の育成を図り、「工事する力」「整備する力」の更なる強化を進めているところです。更にお客様の業務領域まで踏み込んだ効率化提案が行えるよう当社技術力の向上を目指し、全社の組織改正、育成機能強を進めて参ります。

 

「働き方改革」では、65歳定年制へ2021年4月より移行致しました。

また、タブレット活用などのIT化推進により、現場管理業務の負荷軽減、効率化を目指した取り組みも進み、新型コロナウイルス感染拡大防止、自粛要請を受けた全社的なWeb会議・研修等の普及、首都圏を中心にテレワークも着実に進んでおります。

 

更に、従来から継続中の「現場力・事務管理力向上推進」、女性社員の活躍を目的とした「みんなの活躍推進」の3つのプロジェクトと、全社業務改善活動であるステップアップ活動を軸に「一人ひとりが主人公」として成長し、強い企業体質が構築されていくことを目指し、これら活動を継続して参ります。

また、設計技術力向上推進プロジェクトを発展的に解散し、新たにプラントエンジニアリング(PE)部を発足させ、お客様のニーズに迅速にお応えできるようにして参ります。

 

さて、当社は昨年創業100周年を迎えることが出来ました。コロナ感染防止対策上、大規模な記念行事は自粛せざるを得ませんでしたが、社員による様々な手作り企画により、お客様や株主の皆様にも心ばかりの記念品・社史100年の歩みをお届けさせていただきました。

そして次の時代へ、新たな一歩を踏み出します。

 

当社は今後も社会とお客様、株主の皆様及び従業員から信頼され、貢献できる企業を目指し、鋭意努力してまいりますので、ご理解とご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

令和3年7月

代表取締役社長 上野浩光